今年の夏は例年と比較にならないほどの暑い日の連続でございました。

この季節は、一日の寒暖差激しく、夏と秋二つの季節を過ごせるようで、得をした気分でおります。

私は神仏はじめ皆々様の御蔭様で、元気に楽しく過ごさせて頂き、何を見ても何をしても日々新しい発見があり本当に有難く幸せです。

どの年の夏も、その年の夏は一度きりしかございません。その様に思うと酷暑であっても楽しく元気に過ごさなければもったいない・・・その様に感じるのです。もちろん、秋も、その様に感じるのです。

前回のお話の中で當寺の宗派、曹洞宗の教え根幹座禅に関してお話をさせて頂きました。今回は座禅のことで少し新しい発見がございましたので、そのお話をさせて頂こうと思います。

曹洞宗のあるお寺に用事があり、お伺いしていたときのことです。その日はちょうど座禅会をおこなっておられ、少し、座禅会を覗いてみたときのお話になります。

座禅会が終わり、壁に向いて座禅を組まれていた方々が(曹洞宗の座禅は壁に向かって行います。)座禅をとき皆様が歓談をされていたときに、一人の物腰の柔らかな男性に話しかけられました。

その方は三年ほど前から座禅を日課とされており、座禅を始めてから40キロほど体重を落とされたとのことでした。

それまでは多種多様なダイエット方法を試されていたそうですが、結果を伴うことは無かったとのことでした。太りすぎで、病院から痩せないと命の危険に関わるとまで言われていたのですが、どうしても

痩せることが出来なかったとのことです。

座禅にはダイエットの目的は一切無かったとのことでした。ただ、社寺仏閣をめぐって歩くのが大好きで、休日に訪れたお寺でたまたま座禅会が行われており、座禅会にキャンセルが出ており、偶然、

座禅会に参加する機会を得られたとのことでした。

初めて座禅をされたときに、座禅に魅了されたとのことで半跏でしか出来ないのを恥ずかしく思い、座禅を日課にされ、美しい座禅姿を求められたそうです。

美しい姿を求めているうちに想定外の思いもしない嬉しい結果を得られたとのことです。

それまでは繁華街を歩くと、その風貌と巨体で、「映画のモーゼの十戒の海が開いて道が出来るシーンのように人様が道をあけるほどでした。」とのお話でした。実に面白いたとえをされます。

また、こうも仰っておられました。「仏様の美しい座禅のお姿に出来るだけ近づけるように、普段から姿勢をただし、暮らしの中においても美しい姿勢を保つように心掛けていました。」

積み重ねていくうちに気づくと姿勢が正され、自然と体重が減り、結果無理のないダイエットになったそうです。

しかしながら、私は少し違うことを考えました。座禅により魂の救済が出来たのではないでしょうか。

座禅による身体の安定、心の集中、身・息・心の調和が取られ「只管打座」の「仏のお姿」悟りの姿に近づく彼の努力の結果なのかもしれません。

実際、人は巨体だけでは道を開けることはございません。彼の風貌に問題があったのではないでしょうか。

しかし、今の彼はその風貌であったことを微塵も感じさせないほどの穏やかな方です。

それに致しましても、座禅がダイエットに繋がるとは思いもよりませんでした。當寺ホームページにお越しになって頂いている方も、ぜひ座禅を行ってみては如何でしょうか。

心の救済だけでなく、この御仁のように思わぬ結果がついてくることもあるのではないでしょうか。ご自宅でも充分可能です。心も身体もすっきりされるかと思います。お試しになられたら如何でしょうか。

今朝は涼しく清々しい朝です。本日も何事にも一生懸命、そして、楽しく生かさせて頂かなくては・・・

合掌

2013年(平成25年) 9月吉日