今頃、山の頂は、目にも鮮やかに色づきはじめていることでしょう。 本日の「住職のお話」は、命を無駄遣いしないために、 心穏やかに生を全うするために、そのヒントになるような お話をさせて頂きます。 私の好きな童謡詩人、金子みすゞさんの詩に みんなちがって みんないいという一節があります。 人様と自身を比べないということでもあるのかなと思います。 それぞれが持つものさし(尺度)もそれぞれで違います。 親子であってもそれは全く同じではない場合が大半でしょう。 しかし、違うからといらいらして、人様の尺度を間違いと 否定する、如何なものでしょうか。 正しく、みんなちがって、みんないいです。 だからと言って無理やり同調する必要もありません。 そのような考え方もあるのだと理解すればいいのです。 それから、おごらない・きばらない、これらも大切だと思うのです。 人という生き物が、他の生き物より勝れている、偉いんだ・・ これもおごりなのではと感じます。 きばらないとは、頑張り過ぎないということです。 そして、省みる心を持ちたいですね。 しかし、くよくよしないことも大事です。 何よりも、ありのままがよろしいです。 あとは、嫌われることを恐れないことも大切です。 仏教思想に、「中道」があります。 頑張りすぎも頑張らないのも、どちらも良ろしくないのです。 真ん中あたりがちょうどいいのです。 すなわち、中道で、日々を過ごされることが寛容なのではないでしょうか。 心おだやかに幸せに生を全うしたいものです。 せっかくの限りある命、辛い・悲しい・苦しい・・・それでは命がもったいない、 命の無駄遣いだと、歳を重ねるごとに思うようになりました。 由緒ある寺の住職でありながら、志が低いのかもしれませんが、私は 心穏やかに日々を暮らせれば、それで良し、それで幸せと 強く深く思うようになりました。 雨露をしのげて、美味しく食事が頂けて、大きな病気無く、障がい無く 生かせて頂ける、どれほどに有難いことか、感謝でいっぱいです。 今日は小春日和。そして、夕やけがきれいです。 美しい夕空を肴に、晩酌タイムです。(笑)愚僧ご容赦!
合掌 2015年(平成27年) 10月吉日
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