盂蘭盆会の頃。檀信徒様、當寺ホームページ「住職のお話」をご覧の皆様、

コロナと猛暑のこの夏、ご無事に、お健やかにお過ごしでしょうか。

お見舞い申し上げます。

本日の「住職のお話」は、言葉について思うことをお話ししたいと思います。

言葉は、良い言葉、悪い言葉、どちらにも絶大な力があります。

言葉は、人を元気にしたり癒したりする良い言葉と、人を傷つけるナイフのような言葉があります。

愚僧はネット社会についていけておりませんが、パソコンで検索ぐらいは出来ます。

SNSという場で、自分の正体をあかさずに、誰かを誹謗中傷するような言葉を発信して、

その人の心を壊し、傷つけることが多々ある昨今であります。

まだ二十歳過ぎで、夢や希望や素晴らしいことが沢山あったかもしれないプロレスラーの女性を

自死に追いやるという、実に痛ましいことが起きてしまいました。彼女には、この社会が生き地獄の

ようであったのかと思います。せめて、彼女の御霊が安らかにと祈るばかりであります。

そして、コロナで生活様式が変わり、不便不自由になっていると感じ、ストレスとなっているのか、

スーパーやコンビニをはじめ、店や病院や、あらゆるところで、暴言を吐く輩も増えているとか。

これらはすべて言葉を鋭利な刃物として使っている、最たる悪い言葉の例であります。

仏教用語に、「宝積」(ほうじゃく)という言葉があります。

人に尽くして報い(見返り)を求めないという意味でありますが、美しい素晴らしい言葉と感じます。

僧侶でありながら、宝積、その域には達せない愚僧であります。そして、悪い言葉も使ってしまう

こと、愚僧はもちろん、大概の人はあるのかなと思います。せめて、良い言葉を増やし、

悪い言葉を減らす、そのように精進したいと思うのであります。

ありがとうの気持ちで、良い言葉を増やし、ご神仏のみならず、あらゆることに深謝を抱き、

笑顔で暮らしたいと思います。良い言葉は、心の栄養剤になるかと思います。

  水分補給と、お出かけにはマスクをお忘れになりませんよう、

  コロナと暑さに負けず、今夏をお過ごしくださいませ。

  愚僧はこれから風呂に入り、身体を清潔にしてから、「ビール頂きます〜!」(笑)

                                    合掌


                                 令和二年(2020年) 八月 佳き日