いつも「住職のお話」に、お付き合い頂きまして、誠にありがとうございます。
桜の開花予報があり、昨日今日は暖かく、満開の桜の花を愛でるのもあと少し。
「住職のお話」始めさせて頂きます。
今、愚僧は、病院のベッドで、ペンを走らせて頂いております。
食べることが出来なく、痛みも伴い、入院となりました。
健康で、食欲があること、どれほど幸せなことであったか・・・
人間が食べ物と称しているものは、すべて、人間と同じく生き物であります。
米・野菜・魚・肉・海藻・・・あらゆる生、「命」を頂かなくては生きてはゆけません。
もっと、もっと、すべてに感謝をさせて頂かねばと、強く深く思います。
愚僧の好きな、金子みすゞさんの詩をお伝えしたく思います。
「大漁」
朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰮(いわし)の大漁だ。
浜はまつりのようだけど
海のなかでは 何万の
鰮のとむらいするだろう。
いわしは食べられるために捕獲され、人に食べられて生を終える。
人間中心の眼差しだけではなく、いわし目線でも詩っておられます。
心優しくあたたかいお人柄であったと感じ入る金子みすゞさんは
病で、早逝されております。長く生きておられたら、もっと沢山の
素晴らしい詩を詩っておられたかと思います。もしかしたら、生まれ変わって、
このコロナの時を、宝積な気持ちで、慈しみと優しさとを抱き、沢山の人のために
尽くしておられることでしょう。
朝夕は肌寒く、コロナという困難に立ち向かうこの頃でありますが、
檀信徒様、皆様が、ご壮健であらせられますよう、心よりお祈り申し上げます。
合掌
令和三年(2021年) 三月 佳き日 |